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大麻の成分CBDが抗生物質として機能するかもしれない 淋病などの「耐性菌にも有効」 (2/2)

2021.01.21 Thursday

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バイオフィルムを破壊する大麻成分

大麻植物の葉。
大麻植物の葉。 / Credit:canva

今回の研究が示したのは、大麻植物に含まれる成分カンナビジオール(CBD)が、細との戦いの助けになるかもしれないというものです。

大麻は法律で規制されている、向精神薬というイメージがありますが、CBDには向精神薬としての効能はないと言われています。

大麻でハイになる原因はテトラヒドロカンナビノール(THC)という成分で、こちらはマリファナの原料になっています。

そのためCBDという成分については、基本的に日本でも規制の対象にはなっておらず、主に医療目的で注目されています。

そして、研究の筆頭著者であるオーストラリア、クイーンズランド大学のマーク・ブラスコビッチ博士は、このCBDが抗生物質耐性菌のバイオフィルムを分解するのに優れているようだと報告していいるのです。

さらに、濃度を上げて耐性菌の潜在的な発達を速めた実験を繰り返したところ、細菌に耐性を引き起こす傾向が低いことも示されたというのです。

つまり耐性菌を作らずに、細菌を破壊することができるというのです。

CBDは、細菌に耐性を引き起こす傾向が低い。
CBDは、細菌に耐性を引き起こす傾向が低い。 / Credit:University of Queensland

研究チームは、これが特にグラム陰性菌に対して有効であることを確認したと話しています。

グラム陰性菌は、世界でもっとも一般的な性感染症の1つ「淋病」の原因、淋菌などが含まれます。

淋病はペニシリンの登場により、最近まで簡単に治せる病気となっていましたが、現在先進国の医師からは、ペニシリンなどの古い治療法が必ずしも淋菌に対して効果的ではない、ということを報告しています。

1960年以降、グラム陰性菌感染症に対しては、ペニシリン系以外の新しいクラスの抗生物質が見つかっていないため、今回の報告は特に重要な意味があるといいます。

こうした研究が進んでいけば、耐性菌に怯える必要もなくなるのかもしれません。

ただ、大麻成分のCBDは何も精神に作用しないわけではなく、不安をやわらげリラックスさせる作用があるという報告があります。

また抽出するためには大麻植物を使わなくてはならないため、扱いが難しい立ち位置にあるのは事実でしょう。

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