ブルージェットは青い閃光「ブルーバン」によって発生していた
一般的な雷は雲と地面の間で生じます。

雲の上部が正電荷領域、下部は負電荷領域となっており、正電荷領域である地面と繋がるように雷が走るのです。
しかしブルージェットは、雲の頂上(正電荷領域)と上空の負電荷領域の間で生じる雷です。
ちなみにこの範囲で生じる雷は成層圏にある窒素をイオン化させるため、青色になります。
そして研究チームによると、ブルージェットの発生源は映像の最初にある青い閃光「ブルーバン」にあるのではないかと考えています。
ブルーバン (Blue Bang) とは、雷雲内で発生する短距離放電によって生じる強力な青色の閃光のことです。この放電は、雲の内部の異なる電荷領域が異常に接近することで発生します。
通常の稲妻は、雲の内部や、雲と地面の間の1km以上離れた放電によって形成されます。
しかし、雲の中が乱流によって激しく混ざり合うと、正負の領域が1km以内に近づき、短時間かつ非常に強力な電流バーストが発生します。
これがブルーバンと呼ばれる現象で、雲の頂上付近で電場の急激な変化が生じたとき、これがブルージェットの放電を促すと考えられるのです。
ISSの観測でも、5つ目のブルーバンがブルージェットの発生を引き起こしたと報告されています。
つまり、ブルーバンは単なる前兆ではなく、ブルージェットの発生メカニズムにおいて重要な役割を果たす現象なのです。

この観測の結果、ブルージェットは雷雲内で特定の条件が揃ったときにブルーバンが発生し、その結果として上向きの放電が引き起こされることが明らかになりました。
これは、地球の気象現象だけでなく、宇宙空間や他の惑星の大気で起きる現象にも応用できる可能性があります。
まるでゲームの演出のような美しい気象現象、その謎も少しずつ明らかになっているようです。