ブルージェットは青い閃光「ブルーバン」によって発生していた
一般的な雷は雲と地面の間で生じます。
雲の上部が正電荷領域、下部は負電荷領域となっており、正電荷領域である地面と繋がるように雷が走るのです。
しかしブルージェットは、雲の頂上(正電荷領域)と上空の負電荷領域の間で生じる雷です。
ちなみにこの範囲で生じる雷は成層圏にある窒素をイオン化させるため、青色になります。
そして研究チームによると、ブルージェットの発生源は映像の最初にある青い閃光「ブルーバン」です。
別の映像によると、ブルージェット発生の少し前には4つのブルーバンが生じており、5つ目のブルーバンからブルージェットが生じたと分かります。
そしてノイバード氏によると「発生源ブルーバンは、雷雲内の特別な短距離放電だったのかもしれない」とのこと。
通常の稲妻は、雲の内部(正電荷領域と負電荷領域)、または雲と地面の間の1km以上離れた放電によって形成されます。
しかし、雲の中が乱流によって激しく混ざり合うと、互いの領域が1km以内に近づき、短時間かつ非常に強力な電流バーストが発生する可能性があります。
そしてそのバーストが、ブルーバンなのではないかと考えられているのです。
研究チームによると、「短距離放電自体はわりと一般的な現象なので、ブルーバンも我々の想像よりは身近な存在なのかもしれない」とのこと。
さて今回の報告では、神秘的なブルージェットの発生源に焦点が当てられました。
発生源であるブルーバンへの理解が深まったので、今後そこから生じるブルージェットについても新たな発見があるかもしれません。