喘息と食事の関係性
喘息は慢性的な気管支の炎症によって、気道が過敏になることで、気道自体が狭くなって発作的な咳や呼吸困難が起きる症状です。
今回の研究は、イギリスのクイーン・メアリー大学ロンドン校が主導する研究チームから発表されています。
イギリスでは現在、110万人(およそ11人に1人)の子どもが喘息を患っており、ほとんどの成人喘息は小児期から始まっています。
日本でも喘息の患者数は、30年間で約3倍近く増加していると言われていて、問題視されている病気の1つです。
特に喘息は小児期の発症が多く、子どもの喘息を予防する方法については関心が高まっています。
これは日本の場合のデータですが、やはり子どもに喘息の患者数は多くなっています。
喘息に対して、現在予防する方法はわかっていませんが、食生活と発症リスクの関連性が指摘されています。
しかし、これまでの研究では短期的な食事と喘息の関係を調査したものがほとんどで、長期的な影響を見たものはありませんでした。
そこで、今回の研究では、1990年初頭から行われている英国の大規模出生コホートのデータを使用して、誰が喘息を発症し、誰が発症しなかったかの関連を調査したのです。
このデータでは、妊娠した母親から子どもの成長まで何年にも渡って長期の追跡調査を行っています。
研究チームが着目したのは、魚でした。
魚は抗炎症作用を持つ長鎖オメガ3脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の豊富な供給源であり、特に興味深いものです。
しかし、現在イギリスでは、魚の推奨摂取量を達成している人はほとんどいません。
そこでチームは、食物摂取頻度のアンケートデータと、11~14際のときの医師の診断をもとにこのオメガ3脂肪酸と喘息の発生率の関連を分析したのです。