速い物体を見る時、網膜はぼやけた画像を取得する
人間の処理フレーム数が少ないということは、速く動く物体を追跡するときにリアルタイムで検知できないということです。
その代わりに目は1フレーム内で生じた動きを1枚の画像に収めようとします。これにより、画像はぼやけてしまいます。
例えで考えましょう。
A地点からB地点までの100区画を物体が1秒で移動するとします。
これを毎秒100フレームのカメラでとらえるとどうなるでしょうか?1フレームには1区画写っており、鮮明なパラパラ漫画が完成します。
しかし毎秒10フレームのカメラだとどうなるでしょうか?1フレームで物体が10区画分移動する様子を表現しなければいけません。結果として、ぼやけた物体が10区画分伸びたような画像になります。
そして脳は、それぞれが伸びた物体画像10枚でパラパラ漫画を作るので、結局、私たちもぼやけてすべてが繋がった映像しか感じられません。
さて、このような現象を利用したものが蛍光灯です。蛍光灯は素早くオンとオフが繰り返されており、点滅しています。
しかし人間の処理フレーム数よりも高頻度もしくは同等に点滅しているため、私たちには絶えず光って見えるのです。
当然、処理フレーム数の多いハトには蛍光灯がいつも点滅しているように見えており、鬱陶しいと感じているかもしれませんね。
さて、この現象はラバーペンシル錯視も生み出すと考えられています。