アクティブマター粒子は分子と異なる振る舞いをする
また今回の研究では、アクティブマターの粒子が分子とは異なった動きをすると判明しました。
通常、分子などの受動物質は複数の状態で共存できます。
例えばコップの水が蒸発するとき、一気にすべてが気体になるわけでありません。蒸発のプロセスは徐々にすすみ、そこには液体と気体という2つの状態が共存します。
対照的にアクティブマターでは、それぞれの粒子が異なった状態で共存しません。
液体のように密集するのであればすべての粒子が密集状態になり、気体のようにそれぞれが離れるのであれば、すべての粒子が離れた状態になるのです。
さて今回は、シミュレーションによる基礎的な研究がおこなわれたにすぎません。いずれ現実世界のアクティブマターを使って実験する必要があるでしょう。
今後研究チームは、情報処理能力がある粒子を用いて、さらに複雑なシミュレーションをおこなう予定です。
そのような粒子は現実世界の昆虫や動物により近いものとなり、群れを支配する物理法則を解き明かすのに役立つでしょう。