緑葉野菜の摂取で、筋力が11%UP
研究チームは、オーストラリア糖尿病学会による「AusDiab(オーストラリア肥満・生活習慣研究)」から、一般参加者3759人のデータを分析。
その結果、緑葉野菜を定期的に摂取している人は、摂取量の少ない人に比べ、下肢筋力の強度が11%も高くなっていることが判明しました。
また、歩行速度も最大で4%速くなっています。
ちなみに、先日発表されたイギリス国立衛生研究所の報告では、歩くのが速い人ほど、COVID-19(新型コロナ感染症)の重症化および死亡率が低いことが分かっています。
研究主任のマーク・シム氏によると「筋肉機能の向上を促しているのは、緑葉野菜に豊富に含まれる硝酸塩」とのことです。
硝酸塩は自然界に広く存在し、植物は、窒素を硝酸塩のかたちで根っこから吸収し、炭水化物と合わせてアミノ酸やタンパク質を合成しています。
硝酸塩がよく含まれる野菜は、レタス、ホウレンソウ、ブロッコリー、ケール、小松菜、シュンギクなど。
シム氏は「オーストラリアでは毎年、65歳以上の3人に1人が転倒してケガをしており、筋肉機能の低下が問題視されています。
その予防法として、緑葉野菜の定期的な摂取が期待できますし、また、効果の最大化には、ウェイトトレーニングなどの運動と組み合わせることが有効でしょう」と説明しています。
一方で、硝酸塩は、体内で還元され亜硝酸塩に変化すると、発がん性物質の生成にかかわる可能性が以前から一部で指摘されています。
しかし、亜硝酸塩の生成メカニズムはきわめて複雑で、体内にある他の化合物が酸化して、硝酸、亜硝酸塩が作られることもよくあります。
そのため、野菜由来の硝酸塩がどれくらい亜硝酸塩に変わっているのかは分かりません。
この点を含め、緑葉野菜が真に健康に寄与する食材であるかどうかを理解する必要があります。