就学前の「外遊び」は、大人になってからの健康にかかわる
就学前(0~6歳)の時期に、子供が外遊びをすることは極めて重要です。
なぜなら、健康的な生活の基礎は、そのような幼少期に構築されるからです。
実際、WHOをはじめ、日本を含む多くの国々では、幼児に対して、子供の心身の健康的な発達のために、毎日60分以上の中程度から高強度の身体活動を推奨しています。
また、イギリスの国民の健康を維持・向上させるための身体活動に関するガイドライン「UK Chief Medical Officers’ Physical Activity Guidelines(PDF)」は、未就学児に対して1日に180分の身体活動(遊びや運動)を推奨しています。
そしてこのガイドラインには、必要とされている身体活動は、主に室内ではなく屋外で達成されることが示唆されています。
未就学児の身体活動は主に遊びを通じて行われるため、子供たちにとって「外遊び」は非常に重要であり、大人はこの年齢の子供たちの外遊びを積極的にサポートすべきです。
では、幼少期に身体活動を行わないなら、子供たちにはどのような影響が及ぶのでしょうか。
これまでの研究により、幼少期の身体活動は、肥満率の減少、運動能力の発達、心臓の健康、中年期の骨密度の改善と関連していることが分かっています。
また、就学前の時期に十分な身体活動を行っているなら、大人になってから精神的健康が悪化しづらいことも分かっています。
逆に言うと、「就学前に外遊びを十分に行っていない子供たちは、大人になってから精神的に病みやすい」というわけです。
だからこそ、将来を担う子供たちが十分に外遊びできているかを調査し、改善していくことは、個人だけでなく、国全体の課題だと言えます。
そこで今回、ドッド氏ら研究チームは、イギリスの子供たちが十分に外遊びできているか調べることにしました。