海に潜るために進化した鳥
ペンギンは5000万年以上前、水辺に住み海中の生物を捕食するために、潜ることに特化していきました。
水かきのある足、ヒレのような翼、特殊な羽毛は、全て彼らが水中で自由に動き回るために進化した形です。
しかし、ネブラスカ大学リンカーン校の研究チームによると、ペンギンの進化は見た目だけではなく、その血液にもあるといいます。
ペンギンの血液は、陸上に生息する鳥と比較して、ヘモグロビンが多いことが知られています。
ヘモグロビンは赤血球の中にある赤色のタンパク質のことで、酸素分子と結びつく性質があり、これにより体中に酸素を届ける働きをしています。
ペンギンは人生の半分近い時間を水中に潜って暮らしていて、全鳥類の中でもっとも深く潜るというコウテイペンギンは30分以上も潜水していることが可能です。
これは単にヘモグロビンが多いというだけでなく、彼らのヘモグロビンが潜水に適したものに進化している可能性を示しています。
ただ、ヘモグロビンがどう進化を遂げたのかという点は、潜水しない鳥などとの比較研究がないため未解決の問題でした。
そこで、今回の研究チームはそんなペンギンのヘモグロビンの進化について調査をおこなったのです。