副腎の摘出でモフモフになる
ストレスでハゲ、脱ストレスで再び毛がはえてくる。
この現象は、毛包が一時的な休止期に入ってしまうことで起こることが知られています。
しかし、休止期を引き起こす具体的な仕組みはわかっていませんでした。
近年になって行われた研究では、ラットやウサギなどの動物から副腎を抜き取ると、毛の量が増えるという奇妙な現象が報告されていました。
そこでハーバード大学の研究者たちは、マウスにおいても同じように副腎の摘出実験を行いました。
その結果、マウスでも発毛量が増加してモフモフに。
詳しく分析したところ、副腎を失ったマウスでは発毛サイクルにおける休止期が異常に短くなっており、3倍の速さで発毛が起きていることが判明します。
また驚くべきことに、副腎摘出による発毛効果は、老化したマウスにおいてもみられました。
マウスも人間と同様に老化によって体毛が薄れていくのですが、手術によって副腎を摘出すると、老マウスの体でも次々に発毛して、フサフサになっていったのです。
この結果は、副腎が分泌する何らかの物質(ホルモン)が、毛に発毛しないよう働きかけていることを示します。
いったいどんな物質が、発毛を抑制していたのでしょうか?