大きい粒ほど上昇する「ブラジルナッツ効果」とは?
「大きさの違う粒の集まりを上下に振ると、最も大きな粒が表面に浮き上がってくる」
これがブラジルナッツ効果です(ナッツの中で一番大きいのがブラジルナッツであることから)。
直感的には、大きいものほど下に落ちていきそうなのになぜでしょうか?
主な原因は「粒の対流」にあります。
例えば、ミックスナッツのビンを上下に振ると、当然ながらナッツは浮き上がります。
しかし、外側のナッツはビンとの摩擦により浮き上がりにくく、反対に内側のナッツほど上昇していきます。
内側ばかりが上がるとその下に隙間ができ、そのスペースにビン側のナッツが入り込んできます。
こうして内側のナッツが上昇し、ビン側のナッツが下降する対流ができるのです。
ところが、ビン側のスペースはすごく狭いので、大きなナッツほど下向きの流れに乗れません。
小さいナッツは狭い隙間を縫うように落ちていきますが、大きなナッツは上昇するナッツにぶつかりやすいので、むしろ上向きの流れに乗りやすくなるのです。
こうして大きなナッツほど表面に上がってきます。
その一方で、内側のナッツは隠れて見えないので、実際にどのような動きをしているのか分かっていませんでした。
今回の研究は、それを初めて撮影したものとなります。