反ワクチン主義を拡散する12人を特定!
本調査は、非営利団体・Center for Countering Digital Hate(CCDH)と、反ワクチン主義監視団体・Anti-Vax Watchにより行われました。
調査チームは、今年の2月1日~3月16日の間に、TwitterとFacebookで拡散された約81万2000件の反ワクチン内容を収集。
分析の結果、全コンテンツの実に65%が12人の反ワクチン主義者を発信源としていたのです。
具体的には、Twitterで拡散された12万件の17%が、Facebookで拡散された68万9000件の73%が、この12人によって作り出されていました。
チームは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチンの誤情報を拡散する12人をまとめて、「Disinformation Dozen」と呼んでいます。
特定された中には、アメリカの代替医療の擁護者であるジョセフ・メルコラ氏や、陰謀論者のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏がいます。
12人の詳細は、以下のページから閲覧できます。
THE DISINFORMATION DOZEN : WHY PLATFORMS MUST ACT ON TWELVE LEADING ONLINE ANTI-VAXXERS
しかも、こうした反ワクチン主義者は、個々の主張者ではなく、巧みな宣伝手法によって金銭的な利益を得ている組織的なグループなのです。
CCDHの創設者でCEO(最高経営責任者)のイムラン・アーメド氏は「彼らはそれぞれ60人のスタッフを抱え、数百万ドル規模の団体と主にアメリカで経営しています。
反ワクチン主義者のためのトレーニングマニュアルを作成したり、多様な一般聴衆層に向けたメッセージを調整したり、年次会議なども行っている」と説明します。
Twitter、Facebookの他に、InstagramやYouTubeを含めると、反ワクチン活動家のフォロワー数はすでに5900万人に達しているとのこと。
Disinformation Dozenのように影響力のあるアカウントは、説得力のある誤情報を大量に生み出し、またたく間に賛同者を増やしているのです。
アーメド氏は「彼らは医療に関する専門知識を持たず、誤情報によって不正に利益を得るためにソーシャルメディアを悪用しています。
誤情報は今や公衆衛生に対する直接的な脅威となっており、ソーシャルメディアによって、反ワクチン主義者が何百万人ものアメリカ人を勧誘している状況です。
今、ビッグテック企業が行動を起こさなければ、パンデミックは長期化し、さらに多くの命が失われるでしょう」と喚起しました。
これを受け、Disinformation Dozenのアカウントの停止・制限が進められましたが、依然として放置されているものもあります。
こうした人間精神に特有のウイルスも止めなければ、パンデミックの終息はやってこないかもしれません。