テントウムシの接着原理は「分子間力」と判明
研究チームは、材料科学の手法を生物学に応用して、さまざまな板上を歩くテントウムシの「牽引力」を測定しました。
牽引力が増すほど、接着力が大きく滑りにくくなるため、牽引力をもとに接着力が評価できます。
また接着原因の判定には、材料科学の「接着仕事WA」という概念を導入しました。
接着仕事WAは、接着部分を引き剥がすために必要なエネルギーのことで、基板の材質で変化します。
チームによると、「もし分子間力が主要な力であれば、接着力は接着仕事WAと相関する」とのことです。
実験の結果、テントウムシの接着力は、接着仕事WAと見事に相関しており、主要な接着原理が「分子間力」であることが証明されました。
また、分子間力の中でも分散性成分がメインであることも明らかになりました。
これはテントウムシが、ワックスで覆われた植物の葉っぱのように、分散性の高い成分を含む表面により強固に接着するよう脚を進化させたことを示します。
本研究は今後、テントウムシのように接地面への接着・剥離をすばやく行えるロボットの脚部へ応用する予定です。
将来的には、人が入ったり、登ったりできないような場所にも適応する災害対策ロボットが開発されるかもしれません。