「重いうつ状態」の親からはストレスに弱い子どもが産まれる
慢性社会的敗北ストレス状態という「経験」を与え終えると、次に研究者たちはしばらくマウスたちを観察し、
①ストレスからの回復力が強いグループ(軽いうつ状態)
②ストレスからの回復力が弱いグループ(重いうつ状態)
に分類しました。
そして双方のグループに子孫を作らせ、生まれてきた子マウスのストレス耐性を調査。
結果、ストレスからの回復力が弱い父親から生まれた子マウスほど、社会関係におけるストレス耐性が弱いことが判明します。
ですがこの段階では環境要因が完璧には排除できません。
あるいは、弱い親から弱い子が生まれただけとも解釈可能です。
「経験」の遺伝を証明するには、遺伝子レベルでの変化を示す、より直接的な証拠が必要です。
そこで研究者たちは双方のグループのマウスから精子を採取し、遺伝解析を行いました。
すると、衝撃の事実が判明します。