アニキサス冷凍殺虫は品質が低下する
通常、アニキサスは魚介類の内臓に寄生しているため、適切に内臓を処理すれば刺身でも安全に食べられます。
しかし魚の死後、魚体温の上昇に伴ってアニキサスは内臓から筋肉へと移動。
鮮度が落ちるにつれて、生きたアニキサスを食べてしまうリスクが高くなるのです。
その結果、アニキサスがヒトの胃腸に侵入してしまい、嘔吐や激しい痛みが生じます。
水産業界はアニキサス食中毒を防ぐため、いくつかの殺虫方法を試みてきました。
そしてアニキサスを殺虫するには、「70℃以上または60℃で1分の加熱」「-20℃以下で24時間以上冷凍」しなければいけないと分かっています。
つまり生食用では、冷凍処理でアニキサスを殺虫しなければいけないのです。
ところが冷凍処理には、ドリップの流出、退色、触感の軟化などの品質低下が伴い、商品価値も下がってしまいます。
こうした背景にあって、研究チームは「品質を低下させないアニキサス殺虫方法」を開発することにしました。