宇宙に伸びる超新星残骸「神の手」
星の最後、超新星爆発を見る機会はほとんどありませんが、チャンドラX線天文台はこの爆発によって吹き飛ばされた残骸が、宇宙に幽霊のような手を伸ばす姿を捉えました。
この手のような超新星残骸は「MSH15-52」と名付けられていて、地球から1万7000光年の位置にあります。
特徴的な形から研究者たちからは「神の手」という愛称を与えられているそうです。
これは天の川銀河で発生した超新星残骸の中で、もっとも若いものの1つだと考えられており、地球にこの超新星の光が届いたのはほんの1700年前だったと推定されています。
1700年前というと、南米でマヤ王国が反映し、中国を普王朝が支配していた時代です。
宇宙にとっては、ほんのついさっきといえるほどの時間です。
この観測で特に注目すべきポイントは、その指先にあたる部分が星間ガスの壁と衝突しているのが見えるところです。
このガスとの衝突によって、超新星残骸がどのくらいの速度で宇宙を移動しているのかが測定できるのです。