コア崩壊型超新星の衝撃波
この残骸を生み出しのは、コア崩壊型超新星(Ⅱ型超新星)と考えられています。
星が爆発する直前、強力な恒星風が吹いて、周囲の宇宙空間から水素ガスを吹き飛ばしました。
これによって星の周囲はほとんどなにもない空洞の状態になったのです。
そこへ星が爆発した残骸がいっきに放出したため、残骸はほとんど何にも邪魔されずに宇宙空間を進みました。
そして、その衝撃波が長い時を経て爆心地から75光年も離れた星間ガスの壁にぶつかったところを、今回チャンドラX線天文台が観測したのです。
超新星爆発を起こした星は、パルサーと呼ばれる中性子星に変わりました。
パルサーはX線を極方向から灯台の明かりのように放出して回転します。
それは遠く離れた星間ガスを照らし出します。
こうした光で発見されたのが、今回超新星残骸のぶつかった星雲「RCW89」です。
観測は、2004年、2008年、2018年にそれぞれ行われ、ガスに衝突したポイントがどのように移動していくかが測定されました。
結果、それは秒速4000kmという凄まじい速度で動いていたのです。