突飛な発想!?うんち移植とは
世界の一部ではうんち移植(正式には「便微生物移植」)と呼ばれる治療法が研究されています。
これは「健康な人の腸内細菌を患者の腸に移植する」という療法であり、主に安全性を確認した便を希釈して投与する方法と、培養した腸内細菌を投与する方法があります。
では、「他人のうんちを移植する」という発想はどのように生まれたのでしょうか?
そもそもヒト腸内には数百~千種類の細菌が生息しており、免疫系に大きな影響を与えています。
そして一部の疾患を患っている人は、腸内細菌の数や種類が少なかったり、バランスが崩れていたりします。
それらの疾患には薬物治療が効果的でない場合もあり、腸内細菌のバランスを正常に戻す方法として「腸内細菌の移植」が検討されてきました。
しかし、現段階で培養法が確立できている種類はわずか20%程度です。
そこで「健康な人の腸内細菌をそのまま移植する」方法が考案されました。
ちなみに、抗生物質が効かなくなったクロストリジウム・ディフィシル腸炎患者には、便微生物移植が効果的だと報告されています。
つまり薬が効かない疾患を治療する一つの可能性として、うんち移植が研究されてきたのですね。
では世界中の人々が苦しんでいる新型コロナウイルスには、うんち移植が効果的だと言えるのでしょうか?