1. すべては北極に落ちていく?
第一に、そして最も大きな変化は「重力」です。
地球が丸いと、重力は世界中で同じように働きます。
しかし、地球が平らになると、私たちが体感しているような重力にはなりません。もし同じ重力が作用していれば、自然と地球は丸くなるはずです。
1850年代に、数学者で物理学者のジェームズ・クラーク・マックスウェルが計算したところ、「実際のような重力条件下では、円盤型の地球にはなり得ない」ことが証明されました。
その一方で、平らな地球が可能であれば、重力は円盤の真ん中、専門家によれば「北極」を中心に働くとされます。
コロンビア大学ラモント・ドハティ地球観測所のジェームズ・デイビス氏によると、「このシナリオでは、北極から遠く離れれば離れるほど、重力が円盤の中心点に向かって水平に引っ張られる」とのこと。
しかしそうなると、地上のものは北極に落ちていくので、やっぱり円盤型の地球では暮らせないでしょう。
2. 雨はすべて横なぐり
重力が北極を中心とするなら、すべてのものは北極に向かって落ちていきます。
それは空から降る雨も同様です。
おそらく、雨が地上にまっすぐ降るのは北極のみで、そこから離れるほど水平になるでしょう。
世界中の雨が横なぐりになりますし、降り出した瞬間から北極に向かうので、地上には落ちてこないかもしれません。
同じくラモント・ドハティ地球観測所によると、「海や川の水も北極に向かって流れるため、地球の中心部には膨らんだ巨大な海ができ、外縁部にはほとんど水がなくなる」と予測されています。
3. GPSが使用不能に
地球が平らであれば、衛星の周回が難しくなるので、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)が機能しなくなります。
私たちは、携帯電話のGPSサービスをはじめ、あらゆるシーンでGPSに依存しています。
GPSが機能しなくなると、スマホの位置情報も使えませんし、方角も分からなくなるでしょう。
今以上に迷子が多くなるかもしれません。
しかし、平らな地球で北を知りたければ、雨の降る方向を見れば大丈夫です。
4. 晴れてても「黒い空」に?
このように重力が変化すれば、平らな地球は「大気」というガスの層を保持できなくなります。
重力が今のように作用すればこそ、大気のベールが地球を覆えるのです。
このベールがなくなれば、太陽からの光が散乱して、現在のような青空にならないため、地球の空は真っ黒になってしまいます。
また、生物学者のルイス・ビラソン氏は「大気圧が失われると、植物や動物はまたたく間に宇宙の真空にさらわれることになる」と指摘します。
大気層がなければ、地球の空気もあっという間に蒸発してなくなるでしょう。
その状態で生きられるのはおそらく、酸素を必要としない深海の「化学合成生物」ぐらいです。
5. 旅行の移動時間がのびる
平らな地球は一般に、「中心部に北極があり、外縁部に南極の巨大な氷壁がそびえて、人々を落下から防ぐ」と考えられています。
しかし、そうなると地球一周はできなくなりますし、端から端に行くには地球を横断しなければなりません。
そうなると、移動距離も時間も大幅に増加するでしょう。
ただし、中心部は重力が強いので、北極行きの旅は短くて済むかもしれません。
6. 世界中が同じ一つの空を見る
地球が平らになれば、現在のような北南の半球に分かれず、場所によって昼夜が入れ替わることもありません。
世界中のどこにいても等しく同じ空を見ることになります。
住んでいる場所により、見える星、見えない星もなくなるので、天体観測は楽になるでしょう。
ただし、地球の大気が確保できて、地上に住むことができればの話ですが…
7. 地球のシールドが消える
現在の丸い地球では、中心部にある溶融金属が渦を巻くことで磁力が発生し、それが極から極に広がって「磁場」を作り出しています。
磁場は太陽風から地球を守る重要な役を果たしており、言わば「地球のシールド」です。
太陽風からの荷電粒子が磁気圏の酸素や窒素分子にぶつかることで、エネルギーが放出され、それが幻想的なオーロラとなります。
ですので、平らな地球ではオーロラが見れなくなりますが、そんなことは心配のうちに入りません。
磁場のシールドがなくなることで、地球は太陽風をもろに受けてしまい、地上のすべては焼き尽くされ、不毛な世界になってしまうでしょう。
このように、地球が平らになると、ほとんどすべての動植物は存在できなくなります。
地球は丸いからこそ、豊かな生命を育むことができるのです。
理科の課題の参考になりました。わかりやすい説明ありがとうございます!!