消化管における「薬の迅速な吸収」の必要性
薬を劣化させずに体内に送り込むためには、保護膜でカプセル化するなどして「製剤化」しなければいけません。
しかも同じ飲み薬(経口剤)であっても、薬の効果を発揮させたい場所(胃、小腸、大腸など)によって配合が異なります。
また消化管は一般的に小分子を吸収するため、生物製剤、タンパク質、遺伝子治療薬などの大きな分子は分解されてしまうという課題がありました。
さらに消化管吸収の課題は、飲み薬の分野だけに留まりません。
炎症性腸疾患、腫瘍性大腸炎、クローン病などの胃腸疾患は、浣腸による薬剤投与で治療されます。
しかし薬が吸収されている間、その状態を何時間も維持しなければいけません。
そのため浣腸による薬剤投与においても、迅速な吸収を可能にするアイデアが求められてきました。