有名な「腕組み実験」を行ったドリームチームが集結
人間の感覚といえば目・耳・鼻・肌・舌による「5感」が有名です。
しかし実は、私たちの耳の奥には「バランス感覚」のための器官(三半規管と前庭)が存在しており、代表的な5感に劣らない真の意味での「第6感」を形成しています。
ですがバランス感覚と他の5感の間の相互作用については、意外なほど研究が進んでいませんでした。
バランス感覚と関連しているのは5感の中でも視覚くらいであるとの考えが主流だったからです。
特に、バランス感覚の変化によって触覚が変動するはずがないと誰もが決め込んでおり、研究分野の盲点となっていました。
しかし、マックマスター大学の研究者たちは違いました。
彼らは人間の触覚についてのエキスパートであり、20年間にわたり、ある有名な現象を研究してきました。その現象とは
「腕を組んでいると手の左右がわかりにくくなる」
というものでした。
人間は、左右の腕を組んで手の位置をあべこべにするだけで、左右のどちらの手を触られたのかという触覚の判断力を、劇的に低下させてしまうのです。
また興味深いことに、目を閉じると判断力が少し回復することも判明します。
視覚が触覚に与えていた影響を遮断することで、より純粋な触覚が得られ、触られた手を正確に判断できるようになったからです。
そんな触覚研究のエキスパートであるマックマスター大学の研究者たちは今回、新たにバランス感覚と触覚の関係解明に挑みました。
今度はいったい、彼らはどんな驚きの結果をみせてくれたのでしょうか?
結論から言えば「人間は横になるだけで皮膚が敏感になる」という驚きの結果でした。