高度な質量分析技術により467種類のビールを分析
ビールの主な原料は、水、麦芽、ホップ、酵母の4つです。
しかし麦芽やホップ、酵母には数多くの種類が存在するため、その組み合わせによって生まれるビールの特徴は大きく異なります。
また風味や味わいを調整するための副原料(トウモロコシ、米、カラメルなど)が用いられることもあり、ビールの種類はさらに広がっていきます。
加えて発酵の仕方によっても種類が枝分かれするため、ビールの世界は本当に奥深いものだと言えるでしょう。
そしてこれらのビールを化学的に分析すると、その複雑さが一層際立ちます。
実際、シュミット・コップリン氏は、「ビールは非常に複雑な化学物質の一例です」と述べました。
今回研究チームは、「直接注入フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(DI-FTICR MS)」と「超高性能液体クロマトグラフィー四重極飛行時間型質量分析(UPLC-ToF-MS)」という2つの強力な質量分析技術を利用してビールを化学的に分析しています。
これによってアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、東アジアで醸造された467種類のビールを分子レベルで解明したのです。