「ゾウガメの狩り」を捉えた映像は世界初!
公開されたのはカメがヒナを仕留めるまでで、その先の捕食シーンはカットされています。
その映像がこちら。
狩りをしているのはアルダブラゾウガメの成熟したメス個体で、襲われたのはインドヒメクロアジサシ(学名:Anous tenuirostris)のヒナです。
ヒナはどうやら丸太の上に置き去りにされたらしく、まだ空を飛べないために、カメから逃げることができませんでした。
撮影者のフリゲート島財団 保全・持続可能性担当、アンナ・ゾラ氏によると、カメによる狩りは計7分間にわたって続いたとのこと。
本映像はその一部に過ぎませんが、カメが意図的に狩りをしていることを示すには十分な証拠です。
ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の生物学者で、研究主任のジャスティン・ゲルラッハ氏は「最初に映像を見たときは、自分の目にしている光景が信じられませんでした。
恐ろしさと同時に非常な驚きがこみ上げてきた」と話します。
続けて、「カメはアジサシのヒナを直視し、目的意識を持って向かっています。これは非常に奇妙なことで、通常のカメに見られる行動とはまったく異なる」と指摘しました。
本種のようなゾウガメは主に草食性として知られますが、その一方で、カニを踏みつぶして捕食したり、鳥の腐肉を食べる様子がたびたび報告されています。
しかし、それらはすべて未撮影で、確たる証拠はありませんでした。
ゲルラッハ氏は「これまでの報告では、カメが意図的に獲物を仕留めたのか、それとも、たまたまカメが押しつぶしたのか分かりませんでした。
ところが、今回の映像を見ると、明らかにカメが狩りをしていることが分かる」と話します。
それでも、こうしたことがどれくらいの頻度で起こっているのかはまだ不明です。
カメの動きはのっそりしており、やはり狩りに向いていないことに変わりありません。狩りができるのも、飛べないヒナを運よく見つけたときだけでしょう。
しかし、研究チームは論文内で、「丸太上のヒナを追う様子を見ると、このカメは以前にもヒナを捕獲した経験があると推測できる」と述べています。
少なくともフリゲート島では、考えられているよりずっと頻繁に、ゾウガメによる狩りが行われているのかもしれません。