黄緑色に発光するスズメバチの巣を発見!目印と幼虫保護に役立つかも
探索の結果、4種のスズメバチ(Polistes brunetus、P. lepcha、P. japonicus、1種は未同定のPolistes種)の巣にブラックライトを当てると黄緑色に発光すると判明。
ブラックライトの出力に応じて、5~20m離れていても肉眼で確認できるほど強い光を放っていました。
また巣の中でもっとも強く輝いたのは、六角形の部屋のふた部分でした。
顕微鏡で検査したところ、巣に含まれている繊維が発光していると判明。
これにより、スズメバチが生み出す動物繊維のタンパク質に蛍光物質が含まれている可能性が高いと考えられます。
さらにチームは、スズメバチの巣が発光する目的を推察しています。
1つ目の仮説は、発光によってスズメバチたちが自分の家だと認識しやすくなる、という考えです。
実際に調査されたわけではありませんが、仮にスズメバチが蛍光色を目視できるのであれば、帰宅する際に役立つでしょう。
もう1つの仮説は、蛍光が幼虫を紫外線から守る、というもの。
蛍光物質が含まれていることで、入射した紫外線が遮断され、良性の光に変換されてから放出される、というのです。
もちろん2つとも仮説の段階ですが、これだけ強い蛍光には何らかの意味や目的があると考えられます。
現在、チームは他のスズメバチについても調査を進めており、地域ごとの蛍光物質がどのように異なるか調べる予定です。
また新たな蛍光源の発見を目指して、スズメバチの動物繊維に含まれる蛍光物質の特定にも取り組んでいます。