人類にとって次のパンデミックが分岐点になる
コロナウイルスと人類の戦いはここ数年ではなく、実は20年以上も続いています。
2003年ごろに猛威をふるった「SARS(サーズ)」、2012年ごろから感染者が出始めた「MERS(マーズ)」、そして現在パンデミックを起こしている「新型コロナウイルス」。
これら3種は全て、同じコロナウイルスに属します。
この事実は、そう遠くない未来に、別のコロナウイルスによるパンデミックが起こることを予想させます。
もし現在のパンデミックが収まらないうちに、SARS(致死率10%以上)やMERS(致死率30%以上)を引き起こしたような、致死率が高いウイルスが、人間の体内で新型コロナウイルスと遺伝的に融合した場合、危険な結果になりかねません。
コロナウイルスを35年に渡り研究してきたノースカロライナ大学のラルフバリック氏も、コロナウイルスの融合が致命的な新種をうみだした場合「ハリウッドのホラー映画」のような状況が再現されかねないと述べています。
予想される最悪の状況を避けるには、新型コロナウイルスの封じ込めを行うと同時に、次のパンデミックに備えるワクチンを、あらかじめ準備しておく必要があります。
ですが既存の技術では、全てのコロナウイルス種に対抗するには、種ごとのワクチンショットを行う必要があります。
そこで今回、アメリカのノースカロライナ大学の研究者たちは、複数のコロナウイルスに対して有効な、新たなワクチンの開発を行いました。
研究者たちはいったいどんな方法で、1本のワクチンに複数の効果を持たせたのでしょうか?