乳児は大人になるにつれて周囲に合わせて笑い方を変える
関連するもう1つの実験では、102人の成人の参加者が、乳児の2パターンの笑い声を聞いて、どちらがより心地よく、つられて笑いやすいか調査しました。
その結果、大人たちは、乳児の「息を吐く笑い方」の方が、より心地よく、つられて笑いやすいと感じました。
つまり乳児は成長するにつれて「息を吸う笑い方」をやめ、大人たちが好む「息を吐く笑い方」を行うようになっていたのです。
以前の研究によると、笑うことは、サルや一部のげっ歯類などの「集団生活を伴う社会性の高い生物」によく見られたとのこと。
笑うことは人間にとっても重要なコミュニケーションツールなので、乳児は周囲に合わせて好まれる笑い方を選択していくのでしょう。
研究チームも次のように推測しています。
「人間の赤ちゃんは最初、面白く感じたときの自動応答として、自然な笑い方をします。
しかし成長するにつれて、環境に合わせた笑い方へと変えていくようです」
つまり乳児の笑い方が特別なのは、未発達な喉の構造だけが理由なのではなく、人間の社会性の高さから来ていたと考えられます。
今後チームは、乳児の泣き方に関して、同様の実験を行う予定です。