別の鉄酸化還元微生物が存在するかも!応用にも期待大
さらにチームは、MIZ03株と同じように、鉄の酸化と還元の両方が可能な微生物を探すことにしました。
そのためにまず、MIZ03株の酸化還元に関わっている遺伝子を調査。
その結果、MIZ03株には鉄酸化に関わる2つの遺伝子と、鉄還元に関わる3つの遺伝子が見つかりました。

次にRhodoferax属の中から、それらの遺伝子を両方もつ種を探しましたが、既知の培養種は見つかりませんでした。
ただし、メタゲノム解析によって解読された未培養種には両方の遺伝子をもつものを確認。
この結果は、MIZ03株以外にも、まだ培養されていない鉄酸化還元微生物が存在することを示しています。
さて今回の研究により、これまでの常識を覆す「中性pH条件下での鉄酸化還元微生物」の存在が明らかになりました。
一般的な環境で生物学的に鉄を反応させられるので、その利用価値は非常に高いと言えます。
もしかしたら将来、MIZ03株を用いて金属を回収する「生物学的製鉄炉」などが開発されるかもしれませんね。
現在、MIZ03株は各研究機関で利用できるよう整備されています。