Facebookにおける友達の限界数も150人前後だった
ダンバー数に対しては、発表から30年にわたり、様々な議論が続いてきました。
特に、人間が作る組織をサルの群れの延長線上と考えることに否定的な一部の人々や進化論を否定する人々、人間の脳機能は訓練でいくらでも伸ばせると考える人々にとって、ダンバー数は常に攻撃の的でした。
しかしここ10~20年、ダンバー数を支持する研究結果は増加の一途をたどっており、人材活用や組織運営の最適化を求める企業にとっても、ダンバー数を元にした人員配置はますます重要になっています。
また近年になって普及したソーシャルネットワークにおいても、ダンバー数の法則が当てはまることがわかってきました。
代表的な例が、Facebookの交際の経験人数と友達の数を示したグラフです。
このグラフは交際の経験人数ごとの友達の数を示したものです。
0人から6人程度までは、交際の経験人数が多い(よりモテる)ほど友達の数が増えていきます。
しかし、それ以上経験人数が増えても、友達の数は150人前後で頭打ちになってしまっています。
直感的には、魅力的なモテる人ほどドンドン友達の数が増えそうなものですが、決してそうはなりませんでした。
同様のダンバー数による友達の限界値は、SNSの各所でみられます。
ただ注意すべきは、ここで言う友達は何となく顔を覚えている人や何年も連絡をとっていない人は含めません。
現在、リアルタイムでお互いの近況を知り合っている「アクティブ」な関係にある人のことを意味します。
ダンバー氏はこれを「街で偶然会ったとき、気軽にお酒を飲みに誘える相手」と冗談交じりに説明しています。