「指だけ」を撮影する新しいタッチディスプレイ化技術
従来の技術では、カメラの位置から見える「映像すべて」を撮影していました。
つまり「平面に投影されたプロジェクタ映像」と「指」を一枚の画像として取得していたのです。
ところが新しい技術では、特殊なカメラとプロジェクタの組み合わせによって、「特定の空間だけ」を撮影できます。
平面を撮影範囲に入れず、平面上部の数cmの空間だけを撮影範囲とします。
これにより平面に投影されたプロジェクタ映像を含めず、指だけの撮影が可能になるのです。
上の本研究のカメラ映像を確認すると、指だけしか写っていないのが分かりますね。
当然、誤検出もなくなります。
また必要な特殊カメラは一台だけであり、安価に製造できるため、タッチディスプレイ化技術自体をコンパクトかつリーズナブルに提供できます。
チームによると、この機器の試作型の製作には約500ドル(5万5000円)かかりましたが、製品化すれば大幅なコスト削減が可能とのこと。
この技術を利用するれば、テーブルをタッチしてテレビを操作したり、料理中にべたついた手を洗うことなくレシピを検索したりできるでしょう。
ちなみに現在のデバイスでは1本の指しか検出できませんが、今後はマルチタッチや、より複雑なジェスチャーを認識できるよう改善していく予定です。