死んで冷えていくだけの星「白色矮星」
宇宙に存在する星は、その重さによって異なる運命をたどることになります。
非常に重たい星は、最終的に自重によってコアが崩壊し超新星爆発を起こして中性子星かブラックホールになります。
一方、太陽の半分に満たない質量しかない軽い星は、非常にゆっくりと核融合を行うためとんでもなく長寿命です。
現在の宇宙の年齢(138億年)よりはるかに長い数千億~数兆年の寿命を持つため、人類がこの星の死を見ることはないでしょう。
そして私たちの太陽の0.5倍~8倍程度までの質量を持つ星は、100億年程度の寿命を持ち、最後は核融合の燃料を使い果たして白色矮星に変わります。
白色矮星は燃え尽きてコアだけが残った星で、外層を失って地球ほどのサイズになってしまいます。
白色矮星は予熱で輝くだけの既に死んだ星であり、あとはただゆっくりと冷えて輝きが失われるのを待つだけです。
宇宙に存在する恒星の約98%はこのカテゴリーに含まれます。
完全に冷えると、この星は黒色矮星という熱も輝きも失った天体になると考えられていますが、白色矮星が完全に冷えて黒色矮星になるには気が遠くなるほどの時間がかかると予想されています。
おそらく現在の宇宙の年齢よりも長い時間がかかるため、黒色矮星という天体は、現在まだこの宇宙には存在していません。あくまで仮説上の天体です。
白色矮星は特に活動を行うことはなく、比較的単純な冷却プロセスに従ってゆっくりと温度を下げていくだけだと考えられています。
そのため、白色矮星の冷却段階を正しく理解できれば、星の年齢を推定して宇宙の時計として利用できるでしょう。
今回の研究チームも、白色矮星の進化(冷却プロセス)に関する理論を構築するために調査を行っていました。
ここで彼らの行った調査とは、よく似た2つの球状星団を比較するというものでした。