果物の追熟
追熟型の果物は、収穫した後でも一定の期間置くことで甘さが増したり、果肉が柔らかくなったりします。
これまでの研究により、この追熟には果物の植物ホルモン(エチレン)が関係していると分かっています。
そのため追熟型の果物は、収穫した後にエチレンガスを用いた成熟時期のコントロールが可能です。
つまりあえて成熟する前に収穫し、輸送を経て、店頭に並べたときに最も熟した状態にもっていくことができるのです。
一方、非追熟型の果物は1度収穫してしまうと時間経過で甘くなることはありません。
そのため成熟してから収穫し、新鮮なうちに食べるのが良いとされています。
では、同じ果物なのに、なぜこうした違いがあるのでしょうか?
深野氏らは、それら果物を生態学的な役割の観点から仮説を立て、調査することにしました。