仮説を支持する結果が得られる
調査の結果、追熟型の果物は地上を徘徊する動物によって種子が散布されやすいことが明らかになりました。
またそれらの果物は種子が大きく、果皮が緑や茶色である傾向が高いと判明。
これは地上を徘徊する大型哺乳類が好む特徴と一致しています。
対照的に、非追熟型の果物は鳥などの樹木性の動物によって種子が散布されやすいと判明。
非追熟型の種子は小さく、果皮は赤や黒色であることが多かったようです。
そして、これらの特徴もやはり樹木性の鳥類が好むものでした。
そして研究チームは次のように推測しています。
「大きな種子をもつ追熟型の果物は、樹木から落ちて地面で成熟を進めます。
これには、大きな種子を飲み込めない鳥やコウモリが、樹木の上で果実部分だけを食べてしまう、という悲惨な結果を避けるメリットがあるかもしれません。
また、追熟型の緑や茶色の果皮には、樹木の上で隠ぺいする効果があるかもしれません」
つまり調査の結果はどれも、それぞれの果物が適切な動物に種子を散布してもらえるよう適応していたことを示しており、仮説と合致しています。
とはいえ、今回の研究では人間が食べる果物しか調査されていません。
私たちはあくまでも仮説の1つとして受け取るべきでしょう。
さて、果物の追熟は多くの人が知っている身近な現象でした。
それでもその原因や理由に焦点を当てて研究するなら、今回のように新たな発見があり、さらなる調査へとつながっていくのです。