「動物のフン」のフィルターが海水を飲料水に変える
新しく開発されたフィルターは、動物のフンを1700℃で加熱して作られます。
これによりフンに含まれるバクテリアが死滅し、粉末状の炭素ができあがるのです。
そして、その黒い粉を使って吸水性の高いフィルターを作成。
太陽光をフィルターに当てると、フィルターの下の海水が蒸気になって通過します。
その際、フィルターが塩分を除去してくれます。
そしてフィルターを通過した蒸気を凝縮すると、淡水が得られるというわけです。
実際にこの方法で得られた水を解析したところ、そのナトリウム濃度は、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が定めた飲料水の基準を十分にクリアしていました。
ちなみに研究チームは、動物のフン以外にも、木の葉、イカ墨、カニの殻、スズメバチの巣を原料とする同様の淡水化フィルターを作ることに成功しています。
チームによると、「これら天然素材は優れた性能をもっており、低コストで入手しやすく、製造も簡単」とのこと。
そしてこの新しい淡水化フィルターは、従来の淡水化フィルターを製造するのが難しい地方の村や町で活躍すると考えられます。
地元の人々が農場から動物のフンや木の葉を集めて燃やすだけで、簡単にフィルターの材料が得られるからです。
世界中の飲料水不足を解決する可能性を秘めているため、今後の進展にも期待したいものです。