血管系への影響が少ない片頭痛の新薬「ゲパント系」とは?

頭痛は日常的に多くの人を悩ませる症状であり、中でも「片頭痛」は非常に辛く、生活の質を大きく低下させることが知られています。
片頭痛は、ズキズキと脈打つ激しい痛みを特徴とし、しばしば吐き気や光・音への過敏さを伴います。
その発作は数時間から数日にわたり、人によっては日常生活が著しく制限されることも少なくありません。
片頭痛の薬として主流だったのはトリプタン系薬剤ですが、血管収縮作用を伴うため心血管疾患を持つ患者には使いづらいという問題がありました。
そこで近年、新たなタイプの薬剤である「ゲパント系薬剤」が登場しました。
ゲパント系薬剤は、片頭痛の原因の1つであるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質の働きを直接ブロックします。
CGRPは血管の拡張と炎症反応を引き起こすことで片頭痛を生じさせますが、ゲパント系薬剤はこれをブロックして片頭痛を抑えることができるのです。
しかも血管収縮を起こさないため、トリプタン系薬剤に比べて心血管系への影響は小さいと考えられています。
そして、ゲパント系薬剤の1つに、「ウブロゲパント(ubrogepant)」があり、今回の研究ではこの薬剤に焦点が当てられました。