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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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【陸上界で初!】近赤外光が見えるトンボを発見

2026.01.28 17:00:18 Wednesday

私たち人間には見えない光が、もし身近な昆虫には見えていたとしたらどうでしょうか。

大阪公立大学の研究グループは、トンボの中に近赤外光を感知できる種が存在することを発見しました。

しかもその仕組みは、赤色を感じる人間の視覚と驚くほどよく似ていたのです。

陸上生物では初となるこの発見は、色覚の進化だけでなく、医学生物学への応用可能性まで示す重要な成果でした。

研究の詳細は2026年1月20日付で学術誌『Cellular and Molecular Life Sciences』に掲載されています。

陸上生物で初!近赤外光を感知するトンボを発見 ~赤色を感じる仕組みはヒトと共通であることも明らかに~ https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-22134.html
Dragonfly red opsins share a common tuning mechanism with mammalian red opsins and further enhancement of near-infrared sensitivity https://doi.org/10.1007/s00018-025-06017-9

トンボの赤色視は「ヒトと同じ仕組み」だった

色を見分ける能力は、目の中にある「オプシン」と呼ばれる光受容タンパク質から始まります。

ヒトでは青・緑・赤の3種類のオプシンが色覚を担っており、特に赤色を感じる赤オプシンは、可視光の範囲を決める重要な役割を果たしています。

赤色視はヒトを含む脊椎動物だけでなく、トンボやアゲハチョウなど一部の昆虫にも存在することが知られていました。

しかし、脊椎動物と無脊椎動物の赤オプシンは、別々の進化史をたどってきたと考えられており、その分子レベルの仕組みは長らく謎のままでした。

そこで研究チームは、昆虫の中でも特に多くのオプシン遺伝子をもつトンボに注目。

チームは、トンボの赤色視を担うオプシンを同定し、その一部のアミノ酸を人工的に改変する実験を行いました。

その結果、赤色光を感知するために重要な分子構造が明らかになり、驚くべきことに、その仕組みがヒトを含む哺乳類の赤オプシンと共通していることが判明しました。

系統的に大きく離れた生物が、独立に同じ分子戦略へたどり着いていたことは、赤色視が環境適応においていかに重要であったかを物語っています。

次ページ近赤外光が見えるトンボと、その先の応用

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