運動するとメンタルヘルスが改善する
運動がうつ病や不安障害の症状を和らげることは、これまで数多くの研究で示されてきました。
しかし、なぜ運動をするとメンタルが改善するのかという仕組みについては、実は十分に解明されていません。
気分転換になるからなのか、睡眠が良くなるからなのか、それとも別の心理的変化が関係しているのかは、はっきりしていない部分も多いのです。
こうした疑問に答えるため、研究チームは診断名を超えて共通する心理的プロセスに注目しました。
研究で焦点を当てたのは、主観的なストレスの感じ方と、ネガティブな反復思考と、睡眠の質という3つの要因です。
これらはいずれも、複数の精神疾患に共通して関わると考えられてきた心理的特徴です。
ここでいうネガティブな反復思考(repetitive negative thinking)とは、同じ否定的な考えや心配が何度も頭に浮かび、意識的に切り替えることが難しくなる思考のクセを指します。
重要なのは、どのような内容を考えているかではなく、思考が繰り返され、頭の中を占拠してしまう点にあります。
そして研究には、ドイツ国内の外来医療機関に通う約400人の成人が参加。
参加者はいずれも運動習慣が乏しく、うつ病、広場恐怖症、パニック障害、PTSD、一次性不眠症のいずれか、または複数を診断されていました。
参加者は無作為に2つのグループに分けられ、 一方は、薬物療法や心理療法などの通常の治療のみを受けました。
もう一方は、通常の治療に加えて、6か月間の構造化された運動プログラム「ImPuls」に参加しました。
このプログラムでは、屋外でのランニングを中心とした中強度から高強度の有酸素運動を、週2〜3回、1回30分行いました。
最初の4週間は指導者のもとで集団運動を行い、その後は自立して運動を継続しました。
その結果、運動プログラムに参加したグループでは、精神症状の全体的な重さが有意に低下していました。
さらに詳しく分析すると、この改善は主に、ストレスの感じ方とネガティブな反復思考の変化と強く結びついていることが分かりました。
では、なぜ運動によってこうした変化が起こり、それが症状改善につながったのでしょうか。



























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