そもそも依存症とはなんなのか?
依存症は、さまざまな局面で耳にする機会が増えてきた言葉です。
古くは「アルコール依存症」や「薬物依存症」というものがありますが、最近では「ゲーム依存症」なんて言葉も耳にします。
多くの人は、依存症という単語を聞いた時、非常に多くの時間をその行為に費やしていて離れられない人を想像します。
しかし、依存症とは単純にそれに費やす時間の過多だけを問題にしているわけではありません。
依存症の条件には、「あなたの人生の別の側面に悪影響を与えていること」が重要な要素となります。
たとえばスマホのゲームに夢中になりすぎて、生活に必要なお金まで課金に回してしまい、借金で首が回らない。
仕事中なのにゲームのネット対戦に没頭してしまい、仕事が進まずクビになってしまった。
もし本当にこんな人たちがいるとしたら、それは依存症と言って良いかもしれません。
依存症は、人間関係や仕事など、その人の人生に重要な側面を損なわせ、離れていると心理的・生理的な禁断症状が出るという部分が重要なのです。
ただ、依存症を医学が公式に病気として認めるには、かなり多くの証拠が必要となります。
そして今、依存症の研究者たちが新たな問題として懸念しているのが、ストリーミングサービスの普及で手軽になった「一気見」という行為です。
ドラマやアニメの「一気見」は、記録媒体を直接購入したり、レンタルビデオ店などで借りたりしなければならなかった時代には、ちょっと敷居の高い行為でした。
しかし、現在は「Netflix」のようなサービスに加入していれば、今すぐにでも実行できてしまいます。
「一気見」は、アメリカでは「binge-watch」と呼ばれ、これは2013年にオックスフォード・イングリッシュ・ディクショナリー(いわゆる流行語大賞)にノミネートされるほど、一般的なものになっています。
(ちなみにこの年の大賞は最終的に「selfie(自撮り)」が獲得しました)
新型コロナウイルスの流行などもあり、シリーズ一気見にハマっている人はかなり多くなっているでしょう。
そのため、研究者は一気見の依存症になっている人が、すでに存在するのではないかと疑っているのです。
しかし、さきほども述べた通り、単にドラマや映画、アニメの視聴時間が大きく増加したからといって、それで依存症だと言うことはできません。
では、一気見の依存症とはどういうものなのでしょうか?