複雑な家庭環境は子供の実行機能の発達を弱くする
研究には128人の子供とその母親が参加。
子供は平均5歳であり、母親のほとんど(88%)は結婚もしくは事実婚の状態にありました。
そして2時間の家庭訪問によって、子供の実行機能と家庭環境が調査されました。
得られた情報を分析した結果、母親が子供の感情的・身体的なニーズに敏感である家庭は、子供の実行機能が高いと判明。
逆に家庭が複雑で無秩序な状態にあると、母親は子供に関心を示しにくくなり、子供の実行機能も低下すると分かりました。
引っ越しが多かったり、離婚・再婚、母親自身の抑うつ症状があったりすると、母親は子供に向けるべきエネルギーを失います。
これにより子供とのポジティブな相互関係が失われ、結果として子供の実行機能は発達しにくくなるようです。
そのため家庭が不安定だと、子供にも直接影響が及びます。
子供は自分が無力だと感じたり引きこもったりすることが多くなり、実行機能を育てるために必要なかかわりを避けるようになるのです。
さて今回の研究では、「段取りよくこなす能力」の発達には、いくらか家庭環境が関係していると分かりました。
子供の健やかな成長を願う親は、快適な家庭環境を整えることにも力を傾けてあげるべきなのです。