太陽系を取り巻く1,000光年の広い局所泡
太陽系を取り巻く1,000光年の広い局所泡 / Credit:Leah Hustak (STScI)/CfA,1,000-Light-Year Wide Bubble Surrounding Earth is Source of All Nearby, Young Stars(2022)
space

太陽系は周囲1000光年にほとんど「何もない泡」の中心にいる (2/2)

2024.08.31 Saturday

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星形成の見える特等席

星間物質が押し出され空洞となった局所泡の表面では、星間物質が集中するため星形成領域ができると考えられています。

そして実際、現在太陽系の周囲には7つの星形成領域や分子雲(星が形成されうる高密度領域)が見つかっていて、これらはすべて局所泡の表面に位置しています

これは死んだ星が新しい星を生み出すために役立っており、天の川銀河の構造や進化を理解するために役立つ手がかりであり、現在私たちは銀河の星形成を最前列で見ることができるのです。

これこそ天文学者たちの喜ぶ理由です。

局所泡と表面の星形成領域を示した3Dアニメーション
局所泡と表面の星形成領域を示した3Dアニメーション / Credit:Center for Astrophysics,A Bubbly Origin for Stars Around the Sun

局所泡は停止した状態ではなく、現在も秒速6.5キロメートルほどの速度で広がり続けています

これはガイア望遠鏡の観測から明らかとなっている事実です。

ただ、その勢いはほどんど失われており、惰性で広がっているだけの状態のようです。

研究者はこうした泡が、銀河系の至るところに存在していて、銀河はチーズのような状態になっていると予想しています。

そうでなければ地球が運良く泡の中に飛び込むことはなかったでしょう。

こうした泡の形成と星形成のメカニズムは、銀河の進化に重要な影響を与えている可能性があります。

天文学者でありデータ可視化の専門家でもあるCfAのキャサリン・ザッカー氏は、今回の研究を次のように語ります。

「これはまさに原点であり、近傍の星形成がどのように始まったかを初めて説明することができます」

※この記事は2022年1月に公開のものを再掲載しています。

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太陽系は周囲1000光年にほとんど「何もない泡」の中心にいる (2/2)のコメント

つばさ

15個の超新星の残骸のブラックホールとかが心配になります。

sk

僅か40光年の位置にレティクル座の恒星が
あるはずだが?

    ゲスト

    4.2光年先のケンタウルス座の恒星が最も近いっていうのは置いておいて、記事には星間物質が無いって書いてあるが?
    理解してからコメントしようね

泡すぎる

偶然にも喜ばしいことかのようで、説得力がないほうがよさそうです。
泡って何?も、説明があいまいであればむしろ、実は・・・と、後ずけするんじゃないかと

SAE

500万年前はヒトとチンパンジーが別れた年代かと思われますが、局所泡表面の通過が生物進化に影響を与えた可能性もあるのかと考えるとロマンを感じました。

ゲスト

星間物質が希薄ということは星間ガスで自給自足しながら恒星間航行してる知性体が存在していても領域自体を避けられる…?

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