被子植物は「ジュラ紀」に誕生した可能性
まず2016年に、1億4500万年以上前のジュラ紀にさかのぼる「完全な花」の化石が見つかりました。
エウアンサス(Euanthus)と命名された化石には、花びらの他に、萼(がく、つぼみの根元にある葉状の部分)や子房もあったようです。
それから2018年に再び中国で、ナンキンガンサス(Nanjinganthus)と呼ばれる約1億7400万年前の花化石が発見されました。
被子植物の特徴である、脂肪に包まれた種子も見られています。
しかし、これらに対し、すべての専門家が被子植物であると認めたわけではありません。
確かに、裸子植物よりは構造が複雑でしたが、被子植物と断定するにはあまりに原始的すぎたためです。
特に、花を咲かせる器官がなかったのも問題でした。
ところが今回、内モンゴル自治区にあるジュラ紀の地層から、ついにお目当の化石が出土しました。
そこには、約1億6400万年前の記録上最古となる「花のつぼみ」が保存されていたのです。
新たにフロリゲルミニス・ジュラシカ(Florigerminis jurassica)と命名された新種の花には、つぼみだけでなく、果実や葉っぱの付いた枝も残されていました。
まさに、枝からつぼみが出て、そこから花が咲き、果実が実る様子を捉えています。
研究チームは、これについて「明らかに被子植物であり、それらがジュラ紀にすでに存在したことを示している」と述べました。
また「異論を唱える専門家はいるでしょうが、今回の発見は、被子植物の進化史について再考を促すものである」と続けています。