日本で体が分岐する環形動物の新種が発見される
新しく発見されたキングギドラシリスは、環形動物Ramisyllis属の新種です。
Ramisyllis属は、体が枝分かれする奇妙な生物で、2006年にオーストラリア北部の浅海域で初めて発見され、2012年に「R. multicaudata」として正式に新種記載されました。
この生物については、最近になってようやく内部構造が明かされ、昨年その論文が発表されています。
このR. multicaudataに関する研究については、下記の記事で紹介しているので、興味のある人はこちらを参照してください。
とはいえ、体が分岐する動物の例は非常に少なく、未解明な部分が多くあります。
新種の発見報告もないため、研究は完全に停滞していました。
ところが2019年10月、三浦氏ら研究チームの潜水調査によって、日本の新潟県佐渡島南部の宿根木(しゅくねぎ)町付近の海から、体が分岐するRamisyllis属が見つかったのです。
採集された個体を分析した結果、オーストラリアで発見されたR. multicaudataと類似点はあるものの同一ではなく、近縁の新種であることが判明。
その特徴から有名な怪獣にちなんで、キングギドラシリス(学名:Ramisyllis kingghidorahi, またはR. kingghidorahi)と名付けられました。
では、新種キングギドラシリスにはどんな特徴があるのでしょうか。