突起の予想される「5つの機能」とは
突起の内部を調べてみると、皮膚とキューティクルが伸びてできており、その厚さは他の体組織の約2倍もありました。
(キューティクル:クチクラとも。表皮を構成する細胞がその外側に分泌することで生じる、丈夫な膜のこと。多くの生物において、体表を保護する役割を果たす)
しかし突起には、筋肉や管、特殊な組織は含まれていませんでした。
チームは1976年に発表された論文から、さまざまなアリの幼虫の形態を調べた結果、突起の役割には以下の5つの可能性があると推測しました。
・体を支える
・巣の天井や壁にしがみつく
・女王が他の幼虫による共食い攻撃から身を守る
・体表面に餌を固定する
・幼虫間で餌を受けわたす
これらはあくまでも仮説に過ぎず、確かな目的はまだわかっていません。
しかし、本研究の成果は、幼虫が複雑なアリ社会においてどんな役割を果たすのかを理解するヒントとなるでしょう。