ハッブル宇宙望遠鏡の写真から「史上最大の彗星」の核サイズを明らかに!
2022年1月18日、ハッブル宇宙望遠鏡は、ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星の写真を5枚撮影しました。
下記の画像の一番左が撮影された写真です。
この写真だけでは光が滲んでいるので、正確なサイズが分かりませんね。
これは彗星の核が、「コマ」と呼ばれる核から噴き出たガスや塵に包まれているためです。
核のサイズを正確に測るには、核とコマをはっきりと区別しなければいけないのです。
そこで研究チームは、「コマのコンピュータモデル(画像中央)」を作成。
撮影写真(画像左)からこのモデルを差し引くことで、「核だけの画像(画像右)」を残すことに成功しました。
これを他の観測情報と比べることで、より正確なサイズや表面の様子を推定できたのです。
研究チームによると、ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星の核の大きさは直径85マイル(約136km)であり、平均的な彗星の約50倍の大きさとのこと。
以前は、リニア彗星(C/2002 VQ94)が直径60マイル(約96km)で、「史上最大の彗星」だと考えらえていましたが、今回、ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星が大幅に記録を更新しました。
またベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星の質量は500兆トンと推定されており、太陽の近くに存在する一般的な彗星の約10万倍の質量になります。
そしてNASAは、ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星とその他の彗星を比較したイメージ画像を提出しました。
右から順に、ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星、リニア彗星(C/2002 VQ94)、へ―ル・ボップ彗星(C/1995 O1)と続きます。
ちなみに左から2つ目は、地球から肉眼で見える周期彗星「ハレー彗星」です。
ハレー彗星と比べると、ベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星の巨大さが際立ちますね。
しかしながら、私たちが地球からベルナーディネッリ・バーンスティーン彗星を肉眼で見ることはできません。
史上最大ではあっても、地球からは遠く離れすぎているのです。
だからこそ、今回の撮影と研究によって詳細が解明されたことは、大きな発見だと言えます。
今後も「史上最大の彗星」が解明されていくのを楽しみにしたいものです。