メガラプトルがたどり着いた「最後の進化形」か
白亜紀前期(約1億4500万〜1億年前)の南半球では、スピノサウルスやカルカロドントサウルスが、生態系の頂点捕食者として君臨していました。
ところが、これらの恐竜は約9000万年前までに絶滅し、姿を消しています。
代わって頂点の座についたのが、メガラプトルでした。
白亜紀後期の北半球の頂点捕食者はティラノサウルス類でしたが、南半球はメガラプトル類が支配していたと考えられます。
そして、新種のマイプ・マクロソラックスは、隕石衝突の直前まで存在していたことから、メガラプトル類が進化の末にたどり着いた最後の種だった可能性が高いのです。
彼らは、南半球を牛耳った最後の大物恐竜だったのかもしれません。
今回見つかったマイプ・マクロソラックスの化石は、2023年3月から国立科学博物館で開催される特別展「恐竜博2023(仮称)」にて展示される予定とのこと。
今のところ、骨や歯を含む100点ほどの化石が回収されていますが、まだ肝心の頭部や前足が見つかっていません。
周辺には、同じ年代の地層が広く露出しているため、鋭い牙やカギ爪が見つかる可能性も大です。
来年の展示までには、より完全体に近い骨格標本が復元できるかもしれません。