汚染物質が原因か?現状は「そのままで良し」
もちろん、研究者たちが指摘するように、魚を食べることが直接的な原因である可能性も捨てられません。
彼らはその理由を次のように説明しています。
「今回の結果は、おそらく魚に含まれるポリ塩化ビフェニル、ダイオキシン、ヒ素、水銀などの汚染物質に起因しているのではないかと推測しています。
海に流出した汚染物質は、プランクトンやエビを通して魚に蓄積していきます。
そして魚の摂取量が多いほど、人間の体内の汚染物質濃度も高いことが分かっており、汚染物質と皮膚がんとの関連性も確認されています」
もしこの推測が正しい場合には、どこでとれた魚なのかも大きく関係するでしょう。
とはいえ、こちらも推測に過ぎず、確証はありません。
結論として、研究者チームは「現時点では、魚の摂取量を変更することは勧めません。皮膚がんの主な原因は依然として太陽なのです」と述べました。
魚には健康的なメリットがたくさんあるため、今回の報告だけではそのメリットを覆してまで魚の摂取量を抑える理由にはならないでしょう。
とはいえ今回の研究は、悪性黒色腫に対する理解を深める手がかりとなるはずです。
悪性黒色腫は、少ないとは言え日本人でも罹患者が存在するがんです。
今後さらに研究が進めば、この病気を減らす確かな方法が見つかるかもしれません。