古代モンスター「ベアドッグ」はどんな生物?
人類が初めてベアドッグの存在を知ったのは、19世紀初めにアンフィシオン科の化石が発見されたときです。
化石の分析から、歯を含む頭部はイヌやオオカミに近い反面、胴体はクマとの類似性が見られました。
そこから、1836年に”曖昧な犬(ambiguous dog)”という意味を込めて、分類上は「アンフィシオン」という科名が付けられています。
それと同時に、専門家の間では、イヌとクマのハイブリッドのようであることから「ベアドッグ」とも呼ばれるようになりました。
その後、ベアドッグの化石は、北米やヨーロッパのフランス、スペインなどで数多く発見されています。
これらの化石データをまとめると、ベアドッグが出現したのは約4500万年前の北米であり、初期は比較的細身で、全体的にオオカミに近い容姿をしていたようです。
その後の2200万年間で、北米からアジア、ヨーロッパ、アフリカへと拡散し、それに伴って、クマのような胴体を進化させました。
平均的な体重は320キロで、最大だと770キロと推定される種もいます。
植物性の食物はうまく消化できなかったらしく、肉を主食にしていたようです。
ところが、約800万〜750万年前に化石記録がピタリと止まり、中新世(2400万〜510万年前)の後期までには完全に絶滅したと考えられています。
正確な絶滅原因は定かでありませんが、同時代に台頭しはじめた他の大型哺乳類との生存競争に敗れた可能性が高いとのことです。
では、今回見つかった新種は、どんなベアドッグだったのでしょうか?