この文章、深い?浅い?「デタラメさへの感受性」をテスト
世の中の一部の人達は、まったく意味をなさないデタラメな言葉の羅列に意味があるように感じてしまうようです。
日本では、最近だと「ラッスンゴレライ」みたいなものがわかり易い例でしょうか。
こうした問題について、研究筆頭著者のティム・ジョージ(Tim George)氏は、次のように話します。
「たとえば、”全体性は無限の現象を静める(wholeness quiets infinite phenomena)”という文章について考えてみてください。
一見すると、この文には何か深い意味があるように感じるかもしれません。
しかし、冷静に考えれば、この言葉の羅列は何の意味も伝えていないとわかるはずです。つまりただのデタラメ(Bullshit)です。
最近の研究では、こうしたデタラメな情報に対して、一部の人が深い意味を感じているとわかっています」
そこでジョージ氏と研究チームは、デタラメな情報への感受性(Bullshit receptivity)、つまりデタラメな情報に対して意味を感じるかどうかが、タスクの解決やアイデアを生み出す能力に何らかの影響を及ぼしているのではないかと考え、調査を開始しました。
実験では、100人のボランティアを募り、いくつかの文章を読ませて、それぞれの文章からどの程度深い意味を感じるかを評価してもらいました。
例文には、「濡れた人は雨を恐れない(A wet person does not fear the rain)」という意味を持つものの中に、「未来は非合理的な事実を説明する(The future explains irrational facts)」というデタラメなものを混ぜ込んでいます。
次にボランティアは、「創造力」に関する2つのテストを行いました。
1つ目は、3つの単語が提示され、そのすべてに関連する4つ目の単語を答える連想テストで、これを12問行います。
そのうち、6問はちゃんと答えのある解答可能な問題ですが、他の6問は答えのない解答不能な問題に設定してあります。
2つ目は、2分間で”車のタイヤ”の新しい使い方を思いつく限り答える、という拡散的思考タスク(Alternate Uses Task)です。
※ 拡散的思考タスク(AUT):ある道具について全く別の使い途を提案することで、創造力の柔軟性を測るテスト
その答えは、3人の審査員によって、アイデアの創造性が評価されました。
また、各テストに挑戦する前に、ボランティアは「自分の創造力をどれほど発揮できる自信があるか」について、答えてもらいました。
さらにチームは、別の100人のボランティアを募り、同様のテストを行いましたが、ここでは「創造力」の代わりに、「言葉の類推能力」や「記憶の想起能力」を評価しています。
果たして、結果やいかに?