ダイエットしていても安心!?乳酸菌を使った「無脂肪ホイップクリーム」
「ホイップクリームは太りやすい」という考えは間違いではありません。
なぜならホイップクリームは脂質38%の高脂肪食であり、甘くするためにたくさんの砂糖も含まれています。
砂糖と油の塊なので、当然カロリーも高くなります。
現在では、乳脂肪を含まない代替ホイップクリームも数多く存在していますが、それでもココナツミルクなどの植物性脂肪が利用されており、少なくとも脂質は25%になります。
では、ダイエッターの味方でいてくれるような無脂肪のホイップクリームはないのでしょうか?
リスボ氏ら研究チームは、2種類の乳酸菌(Lactobacillus crispatus、Lactobacillus delbrueckii)を利用して無脂肪ホイップクリームを作ることに成功しました。
通常ホイップクリームは、生クリームを泡立てて作られます。
泡立てた時の衝撃で脂肪球(膜に包まれた乳脂肪)を破壊。脂肪球同士がくっついて網目構造を作ることで、その中に空気を抱え込むのです。
研究チームによると、「無脂肪ホイップクリームは、水、乳酸菌、少量の乳タンパク質、増粘剤の4つの材料だけでできている」ようです。
乳酸菌と乳タンパク質が網目構造を作ることで、その中に空気を抱え込むのです。
これにより、乳脂肪を使わないホイップが作られます。
そして2種類の乳酸菌を使い分けることで、口当たりの良い柔らかいホイップクリームとデコレーションに最適な固めのホイップクリームを作れるのだとか。
1つの乳酸菌は親水性があり、これが柔らかい泡を形成するのに役立ちます。
そしてもう1つの乳酸菌には疎水性があり、角が立つ固めの泡を作るのに役立つのです。
無脂肪のホイップクリームが販売されるのが待ち遠しいと感じる人も多いでしょう。
しかし研究チームによると、「今回の研究は概念実証に過ぎない」ようです。
乳酸菌を使ってホイップクリームが作れると判明したので、今後は人間が食べることを想定し、より食品に適した乳酸菌や製造方法を探っていくことになるでしょう。
地道な努力で理想の体型を手に入れるのが先か、それとも無脂肪ホイップクリームの商品が誕生するのが先か、ダイエッターの悩ましい状況はしばらく続きそうです。