建物の配置から「260日カレンダー」の証拠を発見!
LIDAR(ライダー)は、航空機から地面に向けて1秒間に数十万本もの赤外線ビームを発射し、跳ね返ってきた距離を計測することで、地上の細かな起伏を得ることができます。
チームは、このデータをもとに構造物の高解像度イメージを作成し、さらにデジタル上で森林伐採を行って、アマゾンの中の失われた都市を復元しました。
その結果、広場やピラミッド、台地など、半マイル(約800メートル)以上にわたって広がる415の建造物群が見つかったのです。
調査の結果、これらの建造物群は紀元前1100年から紀元後250年の間に造られたものと特定されました。
つまり、マヤ文明だけでなく、それ以前から存在したオルメカ文明が建造したものも含まれているようです。
また紀元前1100年頃は、メソアメリカにおいて人々が狩猟採集から定住農耕へと移行した重要な時期として知られます。
しかし最も重要な発見は、建造物のほとんどが、日の出と日の入りのラインである東西方向に配置されていることでした。
これは建造物群が、カレンダーとして機能させる上で重要な「天体の動き」に合わせられていることを意味します。
さらに天体の動きと建物の配置を詳しく調べたところ、紀元前1100〜750年にかけて造られた建造物群は、2月11日と10月29日の日の出の方向にピタリと重なるように配置されていることが判明しました。
そして驚くべきことに、両日の間隔はちょうど260日なのです。
以上の結果から、紀元前1100年頃にはすでに260日カレンダーが使用されていたことが示唆されました。
また、研究者は「これらの複合施設は大規模な居住区を持つ都市ではなく、機能的な天文台であり、共同体の重要な行事や観測のために集まる場所であった可能性が高い」と述べています。
オルメカ社会の人々は約3500年前にはメソアメリカに住み始めていました。
260日カレンダーがオルメカ人による発明だったかは分かりませんが、彼らの時代にはすでに存在していたことが伺えます。
メソアメリカの古代人は文字が誕生する以前から、高度な天文の知識を用いて暦を読んでいたようです。