実は治る?日本の糖尿病患者は100人に1人の割合で「寛解」していた!
実は治る?日本の糖尿病患者は100人に1人の割合で「寛解」していた! / Credit: canva
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実は治る?日本の糖尿病患者は100人に1人の割合で「寛解」していた!

2023.05.31 Wednesday

糖尿病は「いったん罹ったら治らない」「薬は一生飲み続けなければならない」と言われるのが常でした。

しかし今回、新潟大学大学院の研究チームが日本全国の約4万7000人の糖尿病患者を調べた結果、100人に1人の割合で血糖値が正常まで改善する、薬が要らない状態になる等、症状が「寛解」していることが判明したのです。

「治癒」は病気が根本から治ることですが、「寛解」は再発の可能性はあるものの、症状や検査異常が消失した状態を指します。

糖尿病と診断されても生活習慣の改善と継続ができれば、健康な人と同じ一生を送れるかもしれません。

研究の詳細は、2023年5月8日付で医学雑誌『Diabetes, Obesity and Metabolism』に掲載されています。

糖尿病患者の100人に1人は「治っていた」~4万8千人の患者データ解析で明らかになった 「寛解」の頻度と条件~ https://www.niigata-u.ac.jp/news/2023/416785/
Incidence and predictors of remission and relapse of type 2 diabetes mellitus in Japan: Analysis of a nationwide patient registry (JDDM73) https://dom-pubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/dom.15100

糖尿病の症状が消える「寛解」の報告例は多々あった

糖尿病はこれまで「一度発症すると一生の付き合いになる」と言われてきました。

主な症状には、疲労感や喉の渇き、頻尿、目のかすみ、立ちくらみ、皮膚の乾燥による痒み、免疫低下による感染症への罹患、傷が治りにくい、手足の感覚が低下するなど様々なものがあります。

これらと死ぬまで付き合っていくのは苦難でしかありません。

ところが実際には、糖尿病と診断された患者さんでも、食事療法や運動療法を含む生活習慣の改善、一時的な薬物治療、肥満外科手術による減量を通して、血糖値が正常近くまで改善し、症状が「寛解」するケースが度々報告されていました。

ちなみに、ここでいう糖尿病とは基本的にすべて「2型糖尿病」を指します。

糖尿病には1型と2型がありますが、患者の95%は2型であり、1型はかなり稀です。

1型は生まれつきの遺伝とは関係なく、膵臓のインスリン(糖の代謝を調節して血糖値を一定に保つホルモン)を分泌する細胞が壊れてしまうことで発症します。

2型は生まれつきの遺伝的な体質に、暴飲暴食や運動不足、肥満が加わることで発症する病気です。

(本記事では「糖尿病」と表記するものは、すべて「2型糖尿病」を指します)

日本人の糖尿病患者の95%は「2型糖尿病」
日本人の糖尿病患者の95%は「2型糖尿病」 / Credit: canva

糖尿病に関する「寛解」の報告例はこれまでにもありましたが、日本人において、どれ程の患者が「寛解」しているのか、どのような人が「寛解」しやすいのかは分かっていませんでした。

そこで研究チームは今回、糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)の臨床データに登録されている日本全国の糖尿病患者4万7320人を対象に調査を行いました。

さて、どれほどの割合で「寛解」は発生し、どんな人に「寛解」が起きやすくなっていたのでしょうか?

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