脳の進化に「天然パーマ」が必要だった?
人類の躍進において「脳の進化」は欠かせませんでしたが、脳は大きくなればなるほど熱の発生量も多くなります。
直射日光の影響を受けやすい頭部で、ただ脳を大きくさせてしまっては、頭がゆでダコ状態になってしまい熱中症リスクも高くなります。
頭部の熱を逃すために発汗量を増やしたとしても、体内の機能維持に必要な水分や電解質が過剰に失われてしまいます。
おそらく、その最も効率的な解決方法として、人類は「クセの強いカールヘア」を進化させたのでしょう。
これにより頭皮への太陽熱の流入を防ぎながら、水分や電解質の損失も抑えることが可能になります。
まさに天然パーマは人類にとって革新的な発明だったわけです。
同チームのティナ・ラシージ(Tina Lasisi)氏はこう説明します。
「今から約200万年前に、私たちと体格は同じですが、脳の小さい絶滅人類のホモ・エレクトスが登場しました。
そして約100万年前には、基本的に現生人類と同じサイズの脳が誕生しています。
人類の脳が大きく進化する上で、何かが物理的な制約を解き放ったのです」
その「何か」の1つの要因に「天然パーマ」があった可能性を研究者は指摘しています。
もし人類がクセ強の天然パーマを進化させていなければ、脳がここまで大きくなることも、アフリカから他の大陸に進出することもなかったのかもしれません。
クセの強い縮れ毛がコンプレックスという人もいるかもしれませんが、それは偉大な進化の過程で受け継がれたものなのです。